概要
富士吉田市で開催される富士ヒルクライムは、国内のヒルクライムレースで有名な大会の一つである。本投稿では、2021年のコロナ禍に実験者が出場した記録を振り返り、本大会出場の意義について考察する。
キーワード:富士ヒルクライム、シルバーリング、富士山、コロナ
目次
1 富士ヒルクライム
富士ヒルクライムは山梨県富士吉田市で開催されるロードレースである。
富士スバルラインを走行し、ゴール地点は富士山5合目である。
国内でも有数の規模を誇る大会でその知名度も高い。
ゴールした時間によりブロンズ、シルバー、ゴールド等のランク分けがされ、参加証として対応した色のリングが贈られる。知名度の高さから「富士ヒルゴールドの実力です」とか「富士ヒルシルバー目指してます」などと言えばそのライダーの実力がわかる尺度となる。
(ゴールド:1時間5分以内、シルバー:1時間15分以内、ブロンズ:1時間30分以内)
本大会では、実験者はシルバーリングを目指し、走行した。
2 感染症対策
昨今の大会では、新型コロナウイルスの感染症対策が不可欠であり、本大会も種々の対策を実施していた。
受付時やレース当日の検温、大会2週間前までの体温記録提出、5合目到着時のマスク配布等、おおおよそ取りうる対策は実施されており、マスクを外して馬鹿騒ぎする参加者等も見られなかった。
さて、ロードレースという競技上、他のライダーの真後ろにつき空気抵抗を減らして走る「ドラフティング」が重要な技術となる。ドラフティング時には、多人数での集団走行で密になることは免れず、屋外とはいえ多数の人間と空気を共有することとなる。
また、競技中はマスクの着用義務は無く、各々の限界へ挑戦しようと考えた場合、わざわざマスクをして走る道理はない。
したがって、走行中(特に集団走行時)にコロナ感染リスクは最大限高まる。
記録は出したい(競技中にマスクつけたくない)が感染もしたくない実験者が取った策は、「スタート時間をずらす」といったものだった。
実験者は第4ウェーブの出走であり、6:45~7:15の間にスタートすればよかった。チャンピオンクラスで無いため、個人の記録はネットタイム(計測開始地点を通過してからゴールまでの時間)が採用される。それでも大多数のライダーは6:45に一斉に出走を開始し、実力の合うライダーを探し集団を形成する。前述のドラフティングを最大限活用するためだ。実験者は、コロナ対策最優先として、人がまばらとなる7:00をめどに出走開始した。
3 走行結果
総走行時間 1時間21分
(計測区間 1時間16分28秒)
目標であったシルバーリング達成ならず
地点 | 目標タイム | 結果 | (差異) |
5km | 17分08秒 | 17分18秒 | +00分10秒 |
10km | 32分29秒 | 33分24秒 | +00分55秒 |
15km | 48分06秒 | 48分14秒 | +00分08秒 |
20km | 1時間04分02秒 | 1時間06分47秒 | +02分45秒 |
Finish | 1時間14分00秒 | 1時間16分28秒 | +02分28秒 |
3.1 走行条件
1)体重 :57.5kg(帰宅後の計測)
2)身長 :170cm
3)天気 :曇のち雨
4)出走 :第4ウェーブ(人混みを避け7時2分に走行開始)
3.2 走行データ概略
1)平均パワー :231W(4.0 P.W.R.)
2)平均速度 :18.7km/h
3)最高速度 :41.8km/h
4)平均ケイデンス :88rpm
5)最大ケイデンス :119rpm
6)平均心拍数 :170bpm
7)最大心拍数 :176bpm
3.3 機材関係
1)ロードバイク :GIANT TCR SL2
2)ホイール :ROVAL CLX40
3)サイコン :GARMIN Forathlete945
4)心拍計 :GARMIN HRM-pro
5)パワーメータ :4iiii(左クランクのみ、105)
6)車載カメラ :crosstour CT8500(ヘルメットにマウント)
3.4 走行動画、ログ
3.5 感想
コロナ感染症対策としてスタート時間をずらす作戦をとり、ドラフティングをほとんど行わなかった。結果として、走行中密になることは無く感染症対策としては大成功であった。
その反面、中盤以降の斜度が緩くなる瞬間でドラフティングによる風除けができなかったのは、走行タイムに大きな影響が出たと考える。中盤以降では最高速度が30km/h以上になる瞬間もあり、ドラフティングの効果が大きいためだ。
ドラフティングを活用することでタイムの向上は見込める。しかし、来年以降の大会においても感染症対策は必須となることが考えられる。レース中のドラフティングを封じても、目標のタイムが出せるように出力の向上、シェイプアップを行いたい。
4 背中を押す者
レース終盤のエピソードを紹介する。
実験者は中盤に力を使い果たして、終盤ペースが落ちていた。そんな実験者を追い越しつつ、サドルの後ろを指さすものがいた。ここでは「其の物」と表記する。
「其の物」のサドルの後ろを指さすジェスチャーを見て(テールライト光ってるで)と解釈した実験者は自身のテールライトを確認した。特に点けた覚えもないので、当然光っていなかった。
(なんだこいつ、でまかせ言いやがって、首回して損した)と思いつつも、その後もマイペースで走り続けた。いよいよゴール近くになり、奮起してスピードを上げ残り1km地点で「其の物」を追い抜いた。
「其の物」を追い抜いた直後、ゴール手前でいよいよガス欠を起こし、極端にスピードが落ちた。苦境に顔をゆがませている実験者。そんな中「最後だ。頑張れ」と言われながら背中を押された。またしても「其の物」であった。
(言われんでも頑張っとるわいコノヤロー)と再び奮起して走りゴールしたが、釈然としなかった。
「其の物」が特に記録に執着しておらず、レース中に人の背中を押しアシストしていたこと。ゼッケンにナンバーが記載されておらず氏名が書かれていたことだ。
下山前にゼッケン記載の名前をググってゲスト選手の今中選手であることがわかったときは、何だか申し訳なくなった。
なんなら邂逅時のサドル後ろを指さすジェスチャーは「引いてやるからついて来い」の意味だったのかもしれない・・・
教訓:ハンドジェスチャーは初心者はわからない
5 富士ヒルクライムの意義
カスタマーレビュー
★★★★☆ 6
5つ星のうち 3.8
★★★★☆ 激しく追い込めるが、、、 (28歳男性)
精神力をとここん鍛えらえます。ただ、参加者が多いので走り始めはうんざりします。
★★★★★ 開催してくれた運営に感謝! (28歳男性)
コロナ禍でこれといった大会も無かったですが、良い刺激になりました。
★☆☆☆☆ 辛い戦い・・・ (28歳男性)
富士ヒルクライムに初参加でした。目標タイムが達成できなくて残念でした。
★★★★★ GOOD (28最男性)
Mt.Fuji is so beautiful!!
★★★★☆ ゴール後のほうとうがうまい (28歳男性)
登ったらすぐに下山してあっという間に終わってしまいました。下山後ふらっと食べたほうとうが美味しかったです。
★★★★☆ 景色はイイが森ばかり (28歳男性)
自然の中を走れて楽しめました。ほとんど森の中を走っている印象でした。
カスタマーの画像
6 まとめ
富士ヒルクライム2021に出場した。感染症対策を意識したらドラフティングのありがたさが分かった。
参加証のブロンズリングが来るのが楽しみである。
使用計器
実験者が着用したアクションカム「Go-Pro」が買える財力があれば、「Go-Pro」を買ったほうが絶対良い。(電池持ち、挿せるSDカードの最大容量の観点から) |
実験者が着用したヘルメット。上記アクションカムにヘルメット装着用のマウンタがついている。頭が重くなるのでとても走りにくい |